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『ルパン三世カリオストロの城』伯爵のカリオストロ家統一の意外な動機と目的とは!?

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1979年12月に公開されたルパン三世 カリオストロの城。なぜルパンはオープニングでカジノから盗んだ偽札を捨ててしまったのか?作品中で唯一はっきりしているカリオストロ伯爵の動機と目的について岡田斗司夫さんが詳しく解説されていました。

( ゚ ρ ゚ )ボーっと見ていては全然気がつかない深い妄想には納得する点がいっぱい。宮崎監督の設定の傾向なども具体的な作品名をあげて説明されていて、なるほど、わかるわかるとなることが多くて何かのためになった気がしました(笑)。

 なぜルパンはお金をすてたのか?

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冒頭でモナコの公営カジノから50億(おそらくドル)を盗み出したルパンと次元。意気揚々と高速を蛇行するフィアット。しかし、ここでルパンは盗み出したお金が偽札であることに気づきます。すると車のドアを開け放ち、お金を全て捨ててしまいます。

偽札とは言え、モナコの公営カジノに出回るような実際に流通しているお金を50億も盗み出したルパン。流通しているのだから、偽札であってもこのお金は実際に使えるわけです。しかし、ルパンは偽札とわかると躊躇なく全てを捨ててしまうのです。

ルパンはなぜお金を捨ててしまったのか?ルパンは本物しか認めない?泥棒としてのプライド?その本当の理由はなんだったのだろうか。

宮崎駿監督は、映画公開の1年後に「現実の世界に取り残されたルパンに一体何が出来るだろう? せいぜい少女の心を盗むくらいしか残されていない」と発言しています。宮崎監督は、ルパン三世のテレビシリーズの1期に視聴率テコ入れのために参加しており、ここで金持ちで退屈しているから盗みを遊びでやるフランス貴族という設定を入れ替え、面白いことを求めて情熱を燃やしているイタリアの貧乏な若者という設定にしている。

実際に、ファーストシーズンで当初ベンツSSKという超高級車に乗っていたルパンを、動けばいいという程度のフィアットに乗せ替えている。フィアットは、カリオストロの城から使ったわけではなく、ルパン第1シーズンですでにルパンの愛車とされていたのだ。

シャンパンを飲んで、世界に数台しかない名車に乗っているという設定はダサい。フィアットのようなボロ車に乗っていて、ハングリーなルパンを描きたいということで路線を変更したのだという。

そんなルパン三世第1シリーズから約10年経って公開されたカリオストロの城。ハングリーで盗みに情熱を燃やしていたルパンは影を潜め、ルパンが興味を持って本気で盗みたいものや、盗めるものがなくなり、本気で欲しいものがなくなってしまった日常。その結果、次元と2人でフィアットのようなボロ車に乗って貧乏旅行をしていたのが、作品の始まりと読み取れるという。

そんな中で、「自分の中には青春みたいなものが生きている」と信じたいからこそ、国営カジノに忍び込んで、リスクしかない危険な賭けをやってみたりするルパン。そうやって盗み出したものが偽札だったというわけです。

ルパンは、自身がまっとうな社会の中で、自分は偽物だと自覚していたからこそ「本物が欲しい」と思っていた。そうやってまっとうな社会だと思って盗みに入った公営カジノにあったものは偽札だった。それに我慢ができなくなったルパンは、偽札を全て捨ててしまった。

そして、そこで納得できなかったルパンは、かつての泥棒という行為に正当性とか正義、やりがいを感じていた頃の自分に戻りたくて、かつて忍び込んで失敗したカリオストロの城に行くわけです。

2つのカリオストロ家の統一

なぜ、カリオストロ伯爵は結婚と指輪を望んだのか?この作品では、ルパンの動機も目的もクラリスの動機も目的もはっきりしていない。ルパンの目的であるゴート札の謎を暴くというのもぼんやりしているし、クラリスの救出にしてもラストシーンで不二子と偽札の原板を取り合うというシーンでその目的がぼやけている。

クラリスの目的にしても、とにかく好きでもない男と結婚がしたくないというのであれば、最も困難な時期に車を盗んで逃げ出さなくても修道院時代にいくらでも機会はあっただろうし、カリオストロという国をよくしたいというのであれば、伯爵と結婚して伯爵の時代は無理だとしても、伯爵との間の子供と伯爵が亡き後に改革なり革命をすればいいということでよくわかならない。

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この作品で唯一、動機と目的がはっきりしているのがカリオストロ伯爵だ。「400年の永き年月…光と影に分かれていた 二つのカリオストロ家が、今 一つになろうと しているんだよ」「わが家に伝わる金の山羊と…君の!銀の山羊の指輪が 一つに重なる時こそ秘められた先祖の 財宝が甦るのだ」など伯爵の目的が、カリオストロ家の統一と秘められた財宝であることがわかる。

ここで伯爵の目的と信じられているものをあげてみる。

1.カリオストロ家の統一(大公家の下働きにされた伯爵家の復讐)

 カリオストロ家の統一については、宮崎監督の定番設定だという。未来少年コナンでは、レプカという悪役が太陽エネルギーで世界を支配するためにラオ博士の娘ラナを捕まえようとする。天空の城ラピュタでも、ムスカがラピュタの力で世界を支配するために、王族の子孫であるシータを捕まえようとする。ということで、いつもの宮崎アニメらしい悪役という風に見える。

だが、ラナは太陽エネルギー復活に必要な理由がある。シータも飛行石という遺産を持っているという理由がある。それに対してクラリスは、なぜ彼女でなければならないのか?指輪だけあればいいわけなのだ。すでに伯爵家は、ゴート札で闇社会を支配している。わざわざ両家を統一する必要があるのか?伯爵はこれ以上何を望んでいたのか?

宮崎監督が設定したカリオストロ城周辺のマップには、「上カリオストロ」と「下カリオストロ」という記入がある。つまり、カリオストロ家というのは、元々の設定では「大公家、伯爵家」ではなく「上と下」で分かれていたのだ。

ラピュタでいうと、「ラピュタ人の中でも神官クラスの人達は、神々の帰りを待っていた。それに対して、下の方に住んでいる人達というのは、ラピュタによる地球の支配を狙っていた」みたいなものだという。

宮崎監督は、こんなふうに「上層部と下層部では狙いが違う」みたいな、社会構造の差というのが好きで作品で使うことが多いらしい。

伯爵は劇中でも「我が伯爵家は代々お前たち大公家の影として、謀略と暗殺を司り国を支えてきた」と言っている。ここからもわかる通り、カリオストロ伯爵のもともとの仕事は偽札作りではない。実は謀略と暗殺が「下カリオストロ」と呼ばれた伯爵家の仕事であり、偽札作りはやっていなかった。では、偽札の製造は誰が行っていたのかと言うと、「上カリオストロ」と呼ばれるクラリスのいる大公家の仕事だったのではないか。

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この絵をバックに「中世以来、ヨーロッパの動乱の影に必ずうごめいていた謎の偽金。ブルボン王朝を破滅させ、ナポレオンの資金源となり、1972年には世界恐慌の引き金にもなった。歴史の裏舞台ブラックホールの主役、ゴート札。その震源地を覗こうとした者は1人として帰って来なかった」と、ルパンが名調子で喋ります。

カリオストロ家が偽札を作っていたのは、ごく最近100年くらいの話で、元々は金貨の偽造をやっていたということがこの話でわかります。そもそもヨーロッパにおいて紙のお金が使われたはじめたのは19世紀なのです。

ナポレオンの資金源とは、世界征服を目論んでいたナポレオンが財政難に悩まされていたのを後ろ盾したのがカリオストロ家という設定。ブルボン王朝を破滅させたというのは、革命前夜のフランスで「マリー・アントワネットの首飾り事件」というのが起きる。マリー・アントワネットの親友だと騙るジャンヌ・ヴァロワ夫人という人物が、宝石商から4000億円くらいする首飾りを騙し取って、その請求がマリー・アントワネットに届いたという事件だ。

詐欺でマリー・アントワネットを陥れようとした犯人たちは、無罪放免になり結果、パリの市民はマリー・アントワネットに対してすごい反感を持つようになり、これがフランス革命の1つのきっかけにもなったと言われている。

この事件の中で、マリー・アントワネットに、すごく高価な宝石を押し付けようとした実在する人物として「山師のカリオストロ伯爵」という男がいた。宮崎監督は、この山師カリオストロという、錬金術師でありフリーメイソンだった男の名前から、「カリオストロ伯爵」という名前を拝借しているという。

話を戻すとカリオストロ家は、16~19世紀までは偽金貨を作っていた。偽札を刷りだしたのは20世紀に入ってから、それも伯爵家によって始められたことなのだ。そのため、伯爵は、元々どこで偽金貨が作られていたか知らないのだ。このことから「上カリオストロ」が偽金貨を作成していたものと思われる。

「上カリオストロ」は偽金貨作ることと政治を司る、つまり婚姻関係でヨーロッパ中と繋がっていた。「下カリオストロ」は陰謀と暗殺。これが大公家と伯爵家、上カリオストロと下カリオストロの流れになる。

だが現代になって偽金貨が通用しなくなり、下カリオストロが偽札作りにまで手を出したことから両家のパワーバランスが取れなくなっていく。実質的な働きをしている下カリオストロがなぜ、上カリオストロに仕えなければならないのか。という怒りを伯爵は覚える。

その結果、大公家の暗殺を目論見、焼き討ちを行う。そしてカリオストロ公国の近代化に乗り出していく。

2.秘められた財宝(伯爵も正体がわからないけど、たぶん凄いお宝)

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カリオストロ伯爵は最後までその正体を知らなかったが、作品中でそのお宝はローマ遺跡だったと説明している。このローマ遺跡は、普通の遺跡ではなくその全てが黄金なのだ。秘められた財宝とは黄金都市だった。

ルパンはそれに気がつかず、「ローマ人がこの地を追われる時 水門を築いて沈めたのをあんたのご先祖様が 密かに受け継いだんだ」と言っている。視聴者もその言葉をすっかり信じてしまった。しかし、これまでのローマ遺跡とは明らかに違うものが描いてあるという。

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この財宝が出てくるキーとなったが、クラリスがしていた指輪だ。その指輪をクローズアップで見るとゴート文字が刻まれている。それをルパンが読むと「光と影 再び一つとなりて 甦らん… 1517年」と年代までも特定されている。

1517年はルネッサンス活動が一番盛んだった時期で、ギリシャ、ローマ時代を見直そうという時代だった。ということで、ご先祖様はこの時期にローマ遺跡を隠す理由は全くないのだ。この150年前なら蛮族に汚されるので隠さないといけなかったかもしれない。この50年後ならスペイン王の宗教大戦争により、ローマ遺跡が大量に壊されたため隠す必要があったのかもしれない。

この黄金都市は、大理石の上に本物金が貼られているという造りになっている。ちょうどラピュタで、兵士たちが神殿に入って壁や柱から金を剥ぎ取っていたシーンのような建物なのだという。

大公家はこの金を利用して、金貨を製造していた。しかし、1517年あたりに金が枯渇してしまった。ルパンとクラリスがこの遺跡を歩くシーンでは、建物は大理石の色になっていることから、金は遺跡の上の部分の薄い金箔のみになっており、その他は剥がされた後なのでは…という。

そのために、黄金がなくなっているというのを諸国に隠すために沈めたと思われる。かつて、限られた諸国の王族などにこの黄金都市を見せ、カリオストロには無際限の財力がある、または無制限に黄金を作れるような錬金術があると思わせ、その担保により金貨を発行していた。

だが1517年あたりに黄金が枯渇し、それによって偽金貨の製造を始めた。このことにより、大公家と伯爵家という2つの家に分かれてしまったという。黄金がもうないということがカリオストロ家の最大の秘密だったのだ。

カリオストロ家の歴史まとめ

中世~1516年 ローマ遺跡の黄金で繁栄

1517年 黄金が尽きて、イメージダウンを防ぐために遺跡を沈める

1517~19世紀 錬金術をいウリにニセ金貨を発行

19世紀~1970年くらい ニセ金貨からニセ紙幣へ事業シフト

1970年くらい カリオストロ大公家焼き討ち

1978年 ルパン事変 カリオストロ大公家の復活

伯爵の動機と目的まとめ

伯爵家はすでに無用になった大公家を滅ぼした。しかし、国際金融の波がカリオストロ公国にも訪れている。紙幣よりも電子化されたデータが国際金融市場には流れるようになっており、カリオストロ家が偽札を作っているのも時代遅れになっていた。

かつて金貨を作っていた上カリオストロが時代遅れになったように、紙幣を作っている下カリオストロも徐々に時代遅れになっていた。そんな時代、カリオストロ公国に残っている財産は2つしかなかった。1つはヨーロッパで一番古い貴族の血筋。

なぜ、伯爵はクラリスと結婚しなければならなかったのか。それは大公家との統一を果たし、その子供をヨーロッパ諸国の王室などに嫁がせて王位につかせることにあった。そうすることぐらいしか、公国には打てる手がなかったのだ。

そして、もう1つが秘められた祖先の財宝だ。この2つによってカリオストロ公国を持ち直させようと伯爵は考えていたと思われる。

3.クラリスへの恋慕(自覚してないので指摘されるとキレる)

映画を隅々まで見ても、伯爵がクラリスを好きだという証拠は一切ないという。ではなぜ、ルパンは伯爵を「色と欲の伯爵どの」と罵ったのか?

それは明らかでカリオストロ伯爵というのは、ルパンのもう一人の自分、シャドーであるという。カリオストロ伯爵とルパンはコインの表と裏。伯爵は、ルパンが今いる一般社会とは外れた闇の社会からまっとうな光の世界を目指した男で、偽札や暗殺などの将来がないことを一番知っていた。

今の方法では未来がないと知っているからこそ、国連にも加盟するし、インターポールにも友人を作るし、自分の結婚式を世界中に生中継させようとするのだ。古い血や祖先の財宝を信じたかったのは、自分の手が血に染まっていることを知っていたから。自分が滅ぼした大公家になって、まっとうな世界で生きて行きたかったのだ。

ルパン自身も偽札を掴まされ闇の世界に疲れていた、そして本物に憧れを抱きカリオストロに来た。そこでクラリスに会ってしまう。だからこそ、伯爵が金と名誉だけでなくクラリスも欲しがっていると勝手に思い込んでしまったのだ。

ルパンとカリオストロはまったく同じ人種なのだ。2人とも闇の世界の住人で2人とも光を目指している。ルパンは泥棒の流儀で光を目指し、伯爵は陰謀の流儀で光を目指したのだ。だからこそ、ルパンは自分と同じく伯爵がクラリスを欲しがっていると思い込んだのだ。伯爵がクラリスを欲しがっているというのは、ルパンの一方的な思い込みだった。

同族嫌悪みたいな感じで、お互いを嫌った2人。出会う順番が違えば、次元や五右衛門のように互換性のある相棒になっていたかもしれない…。

ルパンはなぜクラリスを連れていかなかったのか?「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました、あなたの心です」というクサイセリフはどうやって生まれたのかなど気になる内容がありましたが、その先は有料でしたorz。

 

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