嘘か本当か分からない話

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現代でも世間の関心が高いドロ沼離婚劇を名奉行・依田政次が名裁きで解決!?

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 現代でも、週刊誌の発行部数が伸びるなど、世間の関心が高まるドロ沼離婚劇。 これは江戸時代でも同じ。江戸の庶民たちを驚かせたドロドロ離婚スキャンダルの記録が残っている。 今回は、江戸時代の記録書「頃日全書(けいじつぜんしょ)」に記されている、実際にあった離婚スキャンダルの話です。

 

離婚後に起こった財産分与スキャンダル

 舞台は、10代将軍・徳川家治が治めていた1760年頃の奉行所。遠山の金さんや大岡越前と並び評される名奉行の一人「依田政次(よだまさつぐ)」。 彼が裁いた、この離婚スキャンダルは、江戸時代を代表する名裁きとして語り継がれている。

現代の東京駅の近くにあった江戸・北町奉行所。 そこへ、娘の離婚問題で怒った父親が駆け込んできた。

話によると数日前、実家に帰ってくるなり泣きじゃくるお音(娘)。

宇八(父親)「お前、まさか、離縁したのか?」

娘は、意味もわからず夫の吉右衛門に突然、離婚を突き付けられたと言う。 しかも、娘が持っていった嫁入り道具を、旦那の吉右衛門が返そうとしないと言う。 江戸時代の嫁入り道具と言えば、桐のタンスや高級な着物。 現在の価値で数千万円に及ぶことも。普通は返すべき嫁入り道具を夫が返さないと親子は訴えた。

しかし、その訴えに対して夫の吉右衛門は、

「到底、受け入れがたい要求にございます」

とこれを拒否。 嫁入り道具を返せという親子と、返さないという夫。 対立する二組の取り調べは、幾度にも及んだ。 そして、最終的に名奉行・依田が下した判決は、

「嫁入り道具は返さなくて良い」

夫・吉右衛門の勝訴! 多くの人が驚いたこの判決。 ここには、ドロドロの愛憎劇と、名奉行・依田政次の名裁きがあった。

そして始まった法廷劇

嫁入り道具の返却を迫られた夫・吉右衛門の主張は…

「恐れながら申し上げます。女房は嫁いできてしばらくして大病を患い、命も危ぶまれるほどでした。嫁入り道具は、全て人参代に充て、女房は人参のお陰で九死に一生を得たのでございます」

当時、人参と言えば朝鮮人参のことを意味し、万病に効く高価な特効薬として使われていたそうです。

「ここに、証拠がございます。人参代の領収書でございます」

しかし、これに親娘が大反論。

宇八「吉右衛門の言い分は全くの嘘でございます」

お音「私は嫁いで以来、大病になったことは一度もございません」

なんと、病気になっていないと主張。

吉右衛門か親子か、どちらかが嘘をついていると考えた依田は、 真偽を確かめるため近所の住民への聞き込んだところ、お音は病気をしていないことが判明。 つまり、嘘をついていたのは夫の吉右衛門。 奉行所で嘘の証言をするのは、死罪に値する重罪。 しかし、人参の領収書を見た名奉行・依田政次の判決は

「嫁入り道具は返さなくてよい」

嘘をついた吉右衛門は無罪。 なんと、一枚の紙きれで裁判がひっくり返ったのだ。 何故、嘘をついた吉右衛門を裁かなかったのか? ここに、依田政次が名奉行と呼ばれる所以がある。

吉右衛門が無罪になった訳

夫・吉右衛門が嘘をついていたのに、なぜ名奉行・依田は嫁入り道具を返さなくてよいと判決したのか?ポイントとなるのは、証拠として出された人参代の領収書。 実はこれ、領収書ではなく、お音が浮気相手からもらった恋文だったのだ。

夫・吉右衛門が離婚を切り出した理由は妻の浮気。 事実を知らない父親は、娘を被害者だと思い込んでいたのだった。 江戸時代、浮気をした女は死罪。 離婚の原因がバレると、お音の命はない。 浮気したお音に対し、嫁入り道具を返すつもりはもちろんない。

しかし、一度は愛した女。 そんなお音を守るため、吉右衛門は嘘をつき、吉右衛門の男気を察した名奉行・依田は、とっさに吉右衛門の嘘を受け入れたのだった。 別れた女性に優しさを見せる吉右衛門も素敵ですが、そんな心意気を汲んだ依田政次の名奉行っぷりは、本当にお見事!

 

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