ユダヤの教えではエデンの園で起こる物語は、アダムとイブだけではなく夜の魔女とも言われるリリスが登場する。リリスはアダムの最初の妻。アダムと同じく土から創られていて肋骨からは創られていない。リリスは従順とは程遠く、自分勝手に行動するために園を追われる。
地上で初めての吸血鬼の誕生
ユダヤの聖典タルムードによれば、リリスがアダムに従わないので神は、3人の天使を使わして服従を命じた。しかし、リリスが拒み続けた為に永久に地上に追放したのだと言う。
リリスは地上で初めての吸血鬼とも言えるだろう。女性の吸血鬼が持つ特徴を全て備えている。リリスは人間の頭と胸、そして蛇の身体と鳥の羽を持つ恐ろしい怪物だ。ユダヤの言い伝えの中では、リリスは夜の魔物で呪いや祈りを捧げなくてはならない。そうしないと揺り篭から赤ん坊をさらっていくのだ。
人間の血液が持つ重要な役割
生き血を吸う怪物が古代において広く語られているのはなぜだろうか?また吸血鬼の物語で人間の血液がこれほど重要な役割を果たしているのはなぜなのだろうか?
ゾンビと違い吸血鬼は、死体であっても魂が残っている。生前あまりにも凶悪な人間であったために、魂が天国にも地獄にも行くことができずこの世に留まり続けると言ったケースがよく見られる。
吸血鬼は、この世のものでもあの世のものでもなく、死後魂が変化する過程で留まってしまった者たちだ。吸血鬼の物語では、大抵魂が呪縛から解かれてあの世へ旅立って行くという最期を迎えるのだ。
血が持つ珍しい特性は、不変的なエネルギーとして作用しているのだろうか?その作用とは生きるものと死者、人間と人間でないもの、そして地球と別世界とを繋ぐものなのだろうか?
儀式の中に見られる血を流す仕来りや血を飲む行為は、神と交流すると共に少しでも神のような不老不死の力を得ようとする目的があったのだろうか。あるいは、古代の人類は、祖先が交流した地球外生命体を忘れず語り継ぐために吸血鬼が登場する神話や物語を作り出したのだろうか。