今から四百年前、大根売りの娘として生まれたお玉。貧しくても幸せな日々。だが父が急死、行くあてのない母と子は武士の家に引き取られ、お玉はその養女となった。
大根売りから武士の娘へ。これがお玉の数奇な人生の幕開けだった…。
大奥へ入ることになった経緯
13歳になったお玉。奉公先の尼の付き添いで江戸城に着ていた。もちろん、お供のお玉は将軍には会えない。別室で待機することになったのだが…。
軽い挨拶だけで帰るはずだった。だが日が暮れようとしているのに戻ってこない尼。なんと家光が、この尼に一目惚れし大奥に入れと要求していたのだ。尼はお玉について来て欲しいと懇願し、お玉は異例のルートで大奥に入り働くことになる。
四年後…依然お玉の身分は低くいつまでたっても下働きは続いていた。そんなある日のこと。突然訪れた大きな転機!偶然にも大奥の最高権力者、春日局に見出されたのだ。だが新参者が目をかけられて面白いわけがない。やっかみと嫉妬がぶつけられた。
そんな嫉妬をよそに、お玉は春日局にあるチャンスを与えられる。それが、御庭拝見。大奥の権力者たちが、自分のプッシュする娘に庭を歩かせ将軍にお薦めするというもの。そこで将軍家光が見初めたのがお玉だった。
大奥に足を踏み入れてから、わずか4年。大根売りの娘だったお玉は、奇跡的に将軍の寵愛を受ける事になる。そして、お玉は家光の男の子を出産。この子供の誕生がお玉の野望に火をつける!
桂昌院となってからのお玉
しかし、家光にとって男の子は3人目。将軍は長男があとを継ぐもの、そんなルールを前にお玉は為す術もなかった。それから数年、お玉が25歳の時三代将軍家光が亡くなる。四大将軍は予定通り長男が継ぐことに。
夢潰えたお玉は、当時の仕来りに従って尼となり桂昌院(けいしょういん)と名前を改めるのだが…。息子を将軍に!その望みを捨てきることができないまま30年。
家光の長男、四大将軍家綱が病死。跡取りはいなかった。次男・綱重もすでに死亡。将軍を継げるのは、お玉の子だけ!ここにお玉の子、五代将軍、徳川綱吉が誕生!大根売りの娘だったお玉は54歳でついに将軍の母へと上り詰めた。
まさに日本史上最高のシンデレラストーリー!
このお玉の名前を取ってできたのが、「玉の輿」という言葉である。