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【都市伝説】ノストラダムスの大予言を日本人だけがなぜ信じてしまったのか!?

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1999年7の月 空から恐怖の大王が降りてくるだろう

日本中を恐怖の渦に巻き込んだノストラダムスの大予言。当時彼の知名度は80%を超え、予言は当たると答えた人は60%にも登った。だがこの予言、実は世界の人々はほとんど知らない。なぜ日本人だけが予言を信じてしまったのだろうか?

出版社である企画の話が持ち上がる。70年代初頭、ノストラダムスの名前を知る人はほとんどいなかった。16世紀のフランスで生まれたノストラダムスは、当時の戦争や疫病についての書籍を数多く執筆したが、中には予言めいた詩集も書き残していたのだ。その詩集に目をつけた編集者が、ノストラダムスのオカルト本を出そうと持ちかけたのだ。

そして発売された数々の書籍には、1999年人類滅亡以外にもヒトラーの出現やケネディ大統領の暗殺などの予言が書かれていた。なかには100万部を売り上げた物まであった。ではなぜそんなに売れたのだろうか?

日本の時代背景と出版時期

本が出版される一ヶ月前に起きたのが、第四次中東戦争。中東の産油国が原油の輸出を制限したため、オイルショックが勃発。その結果、「石油不足でトイレットペーパーが無くなる」というデマが横行。全国のスーパーで買い占め騒動が沸き起こり、日本中が大混乱に陥った。

時同じくして、水俣病やイタイイタイ病などの公害が相次いで発生。日本という国はいつか滅亡してしまう、そんな悲観的な終末思想が日本全体を覆ったのだ。この終末思想とノストラダムスの世界滅亡論が結びつき、ノストラダムス関連本はバカ売れしていくことになる。

当時のテレビでは、有名人たちがこぞってノストラダムスを信じていると発言していた。このせいで人々が余計に予言を信じてしまったのだ。だがそもそも、ノストラダムスは人類が滅亡するとは言っていないのだ。

1999年、7の月

空から恐怖の大王が降りてくるだろう

アンゴルモアの大王を復活させるために

 実はこの有名な予言、人類滅亡のことを言っているのではない。アンゴルモアの大王とはアンゴルモア地方出身の16世紀のフランス国王フランソワ1世のこと。ノストラダムスは、彼のような偉大な王が1999年に出現すると予言していただけなのだ。

しかし、ノストラダムスの原本はフランス語。ノストラダムス関連本の多くの著者は、フランス語が読めず辞書だけを頼りに勝手に解釈し本にしていたのだ。また、当時の日本にはノストラダムスの資料が少なかったため、彼の経歴や予言が創作されたものも多い。

ノストラダムスの本当の姿

予言だけが注目されているが、彼の本職は医者。そして一番有名な本は預言書ではなく「化粧品とジャム論」。当時ジャムは、薬として重宝されておりジャムの製法が書かれたこの本はベストセラーに。世界中で翻訳されたジャム論は950年以上経った今でも販売されている。

日本では預言者として有名なノストラダムスだが、ヨーロッパではジャムおじさんとして有名な存在なのだ。日本中を恐怖の渦に陥れた「ノストラダムスの大予言」。時代が生み出すデタラメな話にはご注意ください…