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【都市伝説】連載開始から半世紀!ゴルゴ13人気の秘密に迫る!?

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身長182cm、体重80kg、血液型A型、生年月日不明、住所不明、国籍不明、使用言語18ヶ国語に精通、職業スナイパー、名前デューク東郷。日本で最も有名なキャラクター、ゴルゴ13。超一流のテクニックと知力と精神力で与えられた任務は100%遂行する。

1968年の連載開始以来、一度も休載がなく来年には50周年を迎える日本一の長寿劇画。これまでの発行部数は、なんと2億部以上、今年外務省までもがゴルゴに仕事を依頼した。その任務は、海外での安全対策を日本人に広めること、まさに誰もが知る国民的キャラクターなのだ。ただし、単なるスナイパーのアクション劇画と思っていたら大間違い。ゴルゴ13は一貫して世相や社会、国際問題に切り込み続けている。

こんなデータがある。日本の理髪店で最も多く置かれているコミック、それがゴルゴ13なのだ。そんなゴルゴ13の人気を握る3つの鍵について解説。

ゴルゴ13の真実

日本人好みの理想的キャラクター設定

第493話「激突!AK-100 vs M-16」

武装テロリスト集団に愛用のライフルM-16だけで立ち向かったゴルゴ。形勢不利の中、次々と相手を倒し任務を遂行する。その時に倒れた相手に言い放った一言が「俺は…一人の軍隊だ。」

ゴルゴ13の職業はスナイパー。どこの組織にも属さず誰にも頼らないアウトローだ。対峙してきた相手は、アメリカCIA、旧ソ連KGB、コロンビアの麻薬密売組織などたった一人で巨大な組織や国にも立ち向かう。そんな孤高の存在が、日本人のロマンを掻き立てる。

第102話「ゲート・イン」

この中でもゴルゴはこんなセリフを言っている。「おれは依頼人と二度会うことは好まない…」誰からも干渉されない生き様。これこそが普段、組織や人間関係に振り回される日本人のまさに憧れなのだ。そんな日本人の心を捉えるゴルゴのセリフ。中でも一番の注目が默して語らず、余計なことは絶対にしゃべらないということだ。同時に、時には臆病とも言える身を守る用心深さを兼ね備えている。寡黙でストイックな性格も日本人の心を捉えるのだ。

街の匂いにまでこだわる

さいとう先生が特にこだわったのは、舞台となる街の描写。乗り物や建物はもちろん、日常のありふれたものにこそ街の匂いは存在する。例えば、ゴミ箱など普通なら気にもとめない景観を克明に表現。それで行ったことのない外国の街のリアリティが読者に伝わるのだ。ゴルゴ13では、当時日本では情報が入らなかった冷戦当時の東側諸国や、遠いアフリカの国々の街並みも非常にリアルに描かれている。

しかし、絵だけではないストーリーもリアルなのだ。ゴルゴ13が生まれたのは1968年。それ以降に起こった歴史的な大事件をほとんどすべて描いている。

1989年中国で起こった天安門事件。その4ヶ月後に発表された第313話「6月3日の死」その時ゴルゴは、あの天安門広場で任務を遂行していた。同じ年の11月に起きたベルリンの壁崩壊。この大事件を題材にした第310話「ドイツはひとつ」でもゴルゴは、その現場でターゲットを仕留めていた。1984年7月の第223話「2万5千年の荒野」では、原発政策のあり方に警鐘を鳴らしている。発表はあのチェルノブイリ原発事故の2年前のこと。

一体なぜこんなストーリーが描けるのか?それを可能にしているのは徹底したリサーチ。それを象徴するのが世界中のモデルガンを保管したさいとうプロの一室。こうした小道具にも妥協は許さない。細部にこだわり緻密な情報を駆使することで非現実的な主人公にリアリティを持たせていたのだ。

変わらない価値観

その“正義”とやらはお前たちだけの正義じゃないのか?

どちらが正義でどちらが悪か、その基準は時代や国の都合で変わってしまう。それはたまたま勝者となったものが都合良く作るもの。しかし時代が変わればたちまち通用しなくなる。ゴルゴ13はそんな事情に左右されず、独自の価値観で動いている。

第488話「三人の狙撃手」にはこんなセリフが。

容姿や言葉だけで俺を同胞と、判断するのは勝手だが、それは、日本人が持つ一番危険な、センスだな…

ゴルゴ13の価値観は、国籍すら超越する。だからどんなに時代が変わってもブレようがないのだ。

今日もどこかの理髪店でゴルゴ13が読まれている…