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かむろ坂の由来が不幸すぎる!恋愛から生まれた悲劇のスキャンダル!?

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恋愛から生まれた悲劇のスキャンダル。そこには男女の欲望、そしてまさかの大量殺人が…。それは現代でも歌舞伎の演目になるほど、江戸中を騒がせた大事件だった。

舞台は、東京五反田にあるかむろ坂。品川百景にも選ばれた都内有数の桜の名所だ。しかし、このかむろ坂という名前には、こんなに美しい景色からは想像もつかないようなスキャンダラスな悲劇の歴史が隠されていたのだ。

男女心中事件

 時は江戸時代初め、江戸きってのイケメン、平井権八という浪人がいた。この男が後世まで語り継がれる悲劇の連鎖を生み出すことになる。権八には足繁く通っていた場所が…、それは遊郭。お目当ては小紫(こむらさき)と呼ばれる女性。小紫は、美貌と教養を兼ね備えた「太夫(たゆう)」という最高位の遊女だった。

そんな彼女の下には、かむろと呼ばれる遊女の見習いの少女がついていた。身寄りのない小紫とかむろは、まるで親子のような関係だった。そして彼女こそが、かむろ坂のかむろなのだ。一体、どうして彼女の名前が付けられたのだろうか?

権八は愛する小紫に会うため遊郭に通い、小紫も権八に次第に惹かれていった。ところが、遊郭へ通うお金が底をついた権八。すると、小紫に会いたい権八が豹変、なんと見ず知らずの人を切り殺し始める。小紫に会いたいがために、人々を次々に殺して金品を強奪したのだ。

一説によると、権八が命を奪った人数はなんと130人。「小紫と一緒に過ごしたい」その想いからの凶行だった。しかし数年後、数々の悪事を働いた権八は逮捕され、処刑されてしまう。

失意の小紫は、権八の眠る墓前へ向かうと、権八の下へ行きたいと自ら命を絶ってしまった。この小紫の後追い心中は、江戸で初めて起きた男女の心中事件と言われている。

かむろ坂の誕生

残されたかむろは、親同然の小紫が帰ってこないのを心配し、探しに出ると慕っていた小紫の死を目撃してしまう。しかも、権八の処刑から始まった負の連鎖はまだ終わらない。かむろはその帰り道、ならず者に遭遇してしまう。男から必死に逃げるかむろだったが、逃げ切れないと察し、近くの池に身を投じ自ら命を落としてしまう。そんなかむろを偲んだ村人たちは、池の近くにあったその坂道を「かむろ坂」と名づけたのだ。かむろ坂の美しい桜、これは幼くして命を亡くしたかむろへのはなむけなのかもしれない。