先日、ワシントン条約で取引が規制された希少なカメを上海から密輸しようとしたとして、大阪府警と大阪税関が関税法違反で容疑者を逮捕するという事件がありました。容疑者が輸入しようとしたカメは、フロリダハコガメで1匹30~40万円する絶滅危惧種だった。東京オリンピックで輸入の取り締まりが厳しくなる前に密輸しようとしたのだという。
今、希少動物が違法に売り買いされその数が減少、絶滅の危機が迫っている。探ればそこは闇だらけ!絶滅危惧種マーケットの恐怖の密輸組織とは!?
希少動物を狙う闇ビジネス
今、世界で絶滅が危ぶまれている野生生物は、2万5000種以上。本来、絶滅を防ぐためにこのような生物を守らなければならないのだが…
レアな動物を欲しがる人間は?
最初は、ペット好きから始まった動物への愛情が行き過ぎて歪んだ愛情が高まり、所有欲を抑えきれず輸入が禁じられた希少動物に手を出す人がいる。社会的に成功した会社の社長が、裏ルートでお金に物を言わせて入手したという事例などは後を絶たない。
国内には、希少な動物ばかりを扱っている闇ブローカー集団のようなものが存在しており、日本の中に都合がいい仕組みを作って動物を密輸できるようにしているのだという。
輸入の方法
輸入は、空輸ではなく海運による大量のコンテナでの輸送を使っている。そこに薬で眠らせた希少動物を紛れ込ませ密輸するのだ。港には1日に大量のコンテナが運び入れられるため、1つ1つ中身をチェックするのは不可能だという。だがいくら大量のコンテナが扱われるとは言え、本当にそんな方法でバレないのだろうか?
驚くべきことに、密輸には誰も知る大手運送会社が関わっているのだという。闇ブローカーは大手の運送会社の一部社員と接触し、中間マージンを渡すことで希少動物を荷物の中に紛れ込ませているのだとか。大手の運送会社には、積み重ねてきた信用と実績があるため、検閲が入りづらく見つかるリスクが低いのだという。
こうした組織的な密輸方法で、国内で手に入るはずのない希少動物が出回っているというのだ。
個人的な密輸方法
私たちのような個人の間でも、希少動物の密輸を持ちかけられるケースがあるという。カンボジア・プノンペン郊外では、スローロリスというサルの赤ちゃんの密輸を持ちかけられるという。絶滅危惧種のため、現在は日本に輸入できず中には100万円近くで取り引きされるものもあるという。これを密輸して欲しいと言われるのだという。
その手口は、ペットボトルを使った輸送。ペットボトルを切って作ったケースのようなものを見せられ、この中に薬で眠らせたサルを入れ、乾燥を防ぐために湿らせた脱脂綿を巻いてポケットに入れて運べば、金属探知機やX線にも引っかからないから簡単に持ち運べると誘ってくるらしい。
しかし、仮にこの方法で密輸できたとしても1つ疑問が…。一体、どこの誰に売ればいいいのか?すると現地の闇組織の人間が「イタバシ、トーキョー」と片言で言い出し、具体的な地名が出てきたという。闇ブローカーとの取り引きがある東京板橋区の〝とあるペットショップ〟でなら高く売れることまで吹き込まれるのだとか。
公然と売られている場所もある
中国・広州の路上では、絶滅危惧動物の一部が漢方薬の原料として公然と売られているのだとか。さらに狩猟も販売も禁じられている虎の手なども路上で売買されており、世界中で絶滅危惧種を扱うマーケットが広がっているという。