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地上の人間を殺す権威を与えられた四騎士!GAFAってエグいよねっ

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最近、Amazonの全商品でポイント還元する新サービスを巡って公正取引委員会が、実態調査に乗り出すなんてニュースが話題になりましたよね。こうしたGAFAと呼ばれる主要IT企業に、世界はすでに征服されているとする書籍『GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読み解くという面白そうなことを岡田斗司夫さんがされていたので紹介します。

 

 GAFAに征服された世界

世界を創り変えた四騎士

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四騎士とはヨハネの黙示録に登場する4人の騎士で、キリストが解いた7つの封印の内、始めの4つの封印が解かれた時に現れるという。四騎士はそれぞれが、地上の四分の一を支配している。

第一の騎士は、白い馬に乗っており、手には弓を頭には王冠をかぶっている。勝利の上に勝利、つまり支配することを目的としている。

第二の騎士は、赤い馬に乗っており、手に大きな剣を握っている。地上の人間に戦争を起こさせる役目を担っているとされている。

第三の騎士は、黒い馬に乗っており、手には食料を制限するための天秤を持っている。地上に飢餓をもたらす役目を担っているとされている。

第四の騎士は、青白い馬に乗った死を司るハデスを連れている。疫病や野獣をもちいて地上の人間を死に至らしめる役目を担っているとされている。

『GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字を取ったGAFAとそれに続くグローバル企業が今や、地球を乗っ取ろうとしているという内容の本になっている。

GAFAは、あくまで合法的に私たちの生活を便利にスマートにしている。嫌がる人間に無理やり使わせたり、売りつけたりしようとはしていないのだ。私たち自身が、便利でスマートだから使いたいと思わせながら、支配しようとしている。それを皆さんは知っていますか?とこの本は警鐘している。

例えば、大企業が人々を支配すると言えば、愛知県の豊田市。豊田市はトヨタ自動車に支配された町というふうに、昔は週刊誌に書かれていた。同じように大阪府の寝屋川市は、パナソニックに支配された町などと言われていた。

だがGAFAが支配するという意味は全然違う。トヨタやパナソニック以上に莫大な利益を上げてきた巨大企業というのはいくらでも存在する。こうした企業は、労働者にお金を渡し、それに見合うだけの雇用を生み出してきた。だが、GAFAはその逆なのだ。

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何十億人もの人が、GAFAの商品とサービスを便利に使っている。だが経済的利益を得ている人は、腹が立つほど少ない。ゼネラル・モーターズの1人当たりの時価総額は、23万1000ドル。それに対してフェイスブックのそれは、2050万ドル。あのGMの約100倍なのだ。

しかも、フェイスブックの社員は2万人に満たない。それで先進国1つ並みの経済規模を生み出している。世界を支配していると言われる巨大企業は昔から、それだけの雇用を生み出していた。それが社会貢献となっていたと言えないこともなかった。

それに対して、GAFAの4社は雇っている人間はかなり少ない割に時価総額が恐ろしく高い。

青の6号に見る世界征服の構図

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この奇妙な現象によく似ているのが、1967年に少年サンデーで連載された『青の6号』という漫画だという。世界征服を狙う秘密結社「マックス」の総統が演説するシーンがある。

「マックスは今、世界の通貨の八十分の一を動かすことができる。この経済力は、アメリカ、ソビエトという二大国に次ぐ大きさなのだ。だがしかし、アメリカにもソビエトにも二億、三億という国民がその経済力に頼っている。そのために両国とも膨大なる予算を必要とする」

「我がマックスには、養わねばならぬ人口は両国の百分の一にも満たないのだ。したがってマックスの経済力は世界一だ」

これを1967年に少年サンデーで連載していたのだから、なかなか凄い漫画だ。これは『ふしぎの海のナディア』におけるガーゴイルの元ネタになっているのは、知る人ぞ知ることだろう。さらに演説は続きます。

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「もはや、我がマックスはこの地球上において何をやることも可能なのだ!!」

つまり、膨大な経済力がありながら国民がかなり少ないので、自由に仕えるお金がいくらでもあるということ。

「事実われわれの援助なしには、やっていけない国も10ヵ国を超え、マックスの資本を導入している国は、すでに30ヵ国…」

この世界征服を企むマックスとGAFAは、ほとんど同じなのだ。違いと言えば、マックスは非合法な武器で通商路を断絶して、貿易に頼っている国を支配しようとしていること。だが、中国やロシア、アメリカが、かつてやっていたことと同じなのだ。

大英帝国やスペイン、フランスが海賊たちに略奪の免許を発行したという歴史と全く同じことをやっているわけだ。マックスがやっていることは、本当に悪いことなのか?それはかつての植民地支配をしていた国と全く同じことではないかと考えられる。

 GAFAもマックスも得た利益を大衆に分配しない、人を雇ったりはしない。さらにGAFAは税金まで収めないので、その利益は弱者へは分配されない。まさに民主主義の敵とも言えるのだ。

それが故に、民主主義に絶望している知的エリートたちに支持されている。知的エリートたちにとって、民主主義のシステムを信じてたくさん稼いだ人や企業が国に納税し、頭の悪い政府の役人に使われるぐらいならGAFAなどが研究開発費として使った方が良いのだ。

GAFAがやっている税金逃れを避難する人たちもいるが、国家を諦めてGAFAに国家の代わりをやってもらおうと考える人たちが、かなり増えている。GAFAに限らずIT企業は、少数精鋭のエリートたちが、スマートに巨万の富を手にするというのを目的にしている。

だがその影で、大部分の中小事業者は廃業して失業者は増えている。こうして中産階級が空洞化して、貧富の差が広がる一方なのだ。私たちが手に入れた便利な生活の代償が、いずれ我が身にも降りかかってくると本の中では警告している。安く美味しい物が手軽に買えるということは、それを生産している人たちがGAFAに安く買い叩かれているということなのだ。

GAFAは、私たちの生活を便利に快適に楽しくしてくれる。だが、豊かにはしてくれないし、幸せにはしてくれない。深く考えないようになるし、発作的に欲しいと思った物を最安値で手に入れることができる。快楽は与えてくれるが、そこから奥の幸福に関して彼らは関知していないのだ。

このようにGAFAが、如何にうまく私たちを騙したのかということを紹介している本なのだ。

1兆ドルに最も近い巨人

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アメリカの世帯の52%が、アマゾン・プライムに加入している。銃を所有、固定電話がある、教会に行くの割合を上回り、アメリカの世帯では当たり前のようにアマゾン・プライムに加入していることがわかる。

アメリカのネット業界における2016年の成長の50%、小売業の成長の21%は、アマゾン・プライムとなっている。実際の店舗で買い物をする時も、消費者の4人に1人がAmazonのカスタマーレヴューをチェックしてから買うという生活をしているという。

30歳以上の人たちは、何かを探す時にGoogleで探してからAmazonで購入している。だが30歳以下の人たちは、最初からAmazonで検索するという。つまり、若い人たちは、Amazonで売っている物の中から自分が欲しいものを選んでいるのだ。

アメリカの小売業の進化は、町の店舗から始まった。町の店舗というのは、おしゃべりができたり、誰が何を買ったのかがわかったりするコミュニティの場でもあった。店の数が少なかったため、他人がどういう生活をしているのかが、わかりやすかったのだ。

オムツを買っていれば、小さい子供がいるんだな。薬を買っていれば病気なのかな。などお互いを監視していたわけではないのだが、毎日の様に見ていたのでなんとなくわかってしまうという生活を送っていた。

そして、20世紀の始めにデパートが誕生する。町の店よりも高度なサービスと専門知識を持った店員がいるのがウリだった。基本的に庶民向けの商品が多かった町の店と違い、高級品の品揃えが凄かった。こうなると町の小さな商店は、みすぼらしくちっぽけに見えてしまう。これが進化の第二段階になる。

第三段階がショッピングモールだ。自動車社会になり、冷蔵庫が普及すると週に1回のまとめ買いが主流になった。ショッピングモールには、レストラン、映画館、ボーリング場ができ、総合娯楽施設となった。

こうなると人々は、用もないのにショッピングモールへと出かけるようになる。この時点で、町の小さな商店はまだ生き残っていたが、コミュニティは破壊されていった。名前は知らなくても顔見知りという環境は、ショッピングモールの登場でなくなり、町にどんな人がいるのか、わからなくなっていった。

この頃から都市伝説やモダンホラーというものが、生まれるようになった。町の中に知らない人がいるということが、殺人鬼の噂を呼んだり、ゾンビのような異物が町の中に紛れ込んでいるかもしれない、という見知らぬ倫理ができたのもショッピングモールができたからなのだ。

第四段階がウォルマートに代表される大規模小売店だ。大規模小売店というのは、大量に仕入れて安く売るというもので、これにより町の商店は徐々に滅んでいく。1960年代の中頃までは法律で禁止されていたのだが、1970年に入る頃からこの規制が崩れていった。これは消費者たちが政治家に働きかけた結果と、大規模小売店が政治家たちに献金して仕掛けていった結果だった。

これにより、ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは世界一の大金持ちになった。だが現在、Amazonの大躍進により世界中のウォルマートやそのチェーン店がどんどん潰れている。Amazonのジェフ・ベゾスは、すでにウォルトンを抜いて世界一の大金持ちになっている。

こういう現状を見ていると、人の世は常にあらずとも思えるし、ざまぁみろとも思えてくる。だがこの悪の帝国とされるウォルマートでさえ、最低賃金で人は雇っていたわけで、少しカッコ良く見えるジェフ・ベゾスは誰ひとり雇うつもりはないという何とも言い難い構図になっている。

第五段階として専門店というものが現れ始める。大型店舗では扱わないようなマニアックな知識を必要とする商品を売る店舗だ。日本で言えば無印良品やナチュラルショップなどエコロジー系のお店も専門店の1つになる。

なんとか生き残った町の小店舗、ウォルマートのような大規模小売店、専門店、コンビニで形成されたアメリカの小売店業界は平衡状態になった。そこに20世紀末に出てきたのがAmazonだ。

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2017年7月25日現在、Amazonの時価総額はウォルマートを遥かに上回っている。完全に1人勝ちの状態だ。Amazonの時価総額は右肩上がりに増える一方だが、ウォルマートなどの小売企業は逆に減る一方になっている。

ウォルマートは、多くの小売店を潰したが雇用も生み出した。だがAmazonは年間7万6000人を失業させている。これはアメリカの全労働者の0.1%に値する。トランプ大統領がどんな失業者対策をしようとも、Amazonの失業者生産率がどんどん上がっているために意味はないのだ。

Amazonはバカなのか?

Amazonは凄い勢いで失業者を生産し、購入者をも減らしている?職を失った人々はAmazonで商品を買うこともできなくなるのではないか?Amazonはバカなのか…。

ジェフ・ベゾスは環境問題フォーラムで面白い発言をしている。

「政府は最低限所得保障制度を考えるべきである。または逆所得税によって全ての国民に貧困ライン以上の現金を配るべきだ。」

ベーシックインカムという考え方だ。ベゾスはこの演説によって弱者の味方と言われるようになった。だが著者のスコット・ギャロウェイは、その前になぜAmazon倉庫の映像が少ないのか考えてみろと言っている。

Amazonの倉庫の写真や映像は、Amazon側が提供した都合の良いものしか出ていない。Amazonの倉庫では、人が10時間労働で働かされているなどと聞くことがあるが、それは既に過去の話なのだという。

現在のアメリカのAmazon倉庫には、こき使われている人などいない。無人でロボットだけが動いているという。そのためにAmazonは、ロボット倉庫の会社を大量に買っている。実はユニクロも昨年、ロボット倉庫を導入し倉庫で働く人の9割を削減している。ユニクロの場合は、削減した人間を他の部署に回すなど日本的な経営をしているのだが、アマゾンはそんなことはしないわけだ。

ベゾスが言っていることは、もはや人間の労働者などAmazonにはいらない。だから彼らに払うお金なんてない。だが、商品を買ってもらわないとAmazonは困る。だから政府が彼らにお金を与えろ。

だがAmazonは、アメリカには合法的に納税しない。彼らに与えるベーシックインカムは、Amazon以外の小売店から取り立てた税金で払え!ということなのだ。賢いというかエグいというか…。

ベゾスがベーシックインカムに賛成するのは、中産階級の維持がもはや不可能なのはわかっているので、Amazon以外の企業が払った税金でAmazonで買い物させるためで、その世界を夢見ているのだ。まさに世界征服じゃないか。

ここで言えるのが、国家というのはもはや死に体。GAFAというのが勝ち続ける社会というのが来てしまっているということ。GAFAには、もはや勝てる気がしない。

だからこそ、アメリカには今、GAFAを否定する生き方というのが生まれてきているという。

 

私たちは貴族になってしまった。Appleという城に住んでAmazonという執事を使いこなし、フェイスブックというサロンに通い、Googleという礼拝堂で祈りを捧げる。という興味津々な内容は有料パートでした。気になりすぎる…