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【崖の上のポニョ】グランマンマーレの驚きの正体!宮崎監督の女性観も顕に!

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今年の夏休みもジブリ作品が毎週放送されて楽しめました。その中でも「崖の上のポニョ」についてお馴染みの岡田斗司夫さんが面白い解説をされていたので、またご紹介します。

 

 本当は怖くてエロい「崖の上のポニョ」

光る波の正体

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ポニョの母親でフジモトの妻であるグランマンマーレ。公式設定では海なる母とされており、海全体の女神のような存在です。初登場は、主人公・宗介の父である耕一が乗る小金井丸の下を通るシーン。

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このシーンをコマ送りでよく見ると、グランマンマーレが海面すれすれを背泳ぎで泳いでいるのがわかる。赤く光って見えるのはグランマンマーレがつけているネックレスなので、光る波の正体はグランマンマーレのおっぱいなのである。このように宮崎監督は、この作品で描きたいものを描いているのだという。

変幻自在な体のサイズ

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フジモトから事態がどういう状況なのかという報告を聞くグランマンマーレ。旦那を尻に敷くタイプの彼女は、旦那からの報告を巨大な体で聞いています。

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だが、ポニョが人間になりたいと言っているという報告を聞くと人間のサイズになり、フジモトの手を握ってをポニョが人間になることを説得します。それまでは、大きなサイズで距離感を保っていたのに、説得に入る時は人間のサイズになって手を握る。夫を色仕掛けで説得する様子は、女性のたくましさと怖さを感じます。

この人間のサイズに変化するシーンは、よくできているといいます。振り返ったグランマンマーレは、フジモトには見えていない右側の顔から小さくなっていきます。そしてフジモトと正対した時には、人間大の顔になっています。しかし、首から下はまだ大きいままで、作画崩れを起こしたかのように見える。

このようにすごく丁寧にグランマンマーレの化け物性を描いている。夫には違和感を感じさせないように変身しているが、観客にはその違和感を見せているのだ。

グランマンマーレの正体

作品の後半で、ポニョと宗介についてグランマンマーレと宗介の母親であるリサが話し合っているシーンがある。

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ケアハウスのお婆さんたちに呼ばれて、こっちへ向かうリサ。まず、グランマンマーレのサイズがリサよりもかなり大きく描かれていて威圧感が感じ取れます。そして問題の謎の花壇。

呼ばれたリサは、この花壇を避けて移動します。コンテで確認しても、この位置に花壇があって、「リサ花壇を避けてななめに歩く」と書いてあるのだという。なぜ、こんなめんどくさいことをしているのだろうか?

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この花壇は、ポニョと宗介が到着してグランマンマーレと会うシーンにも描かれている。左から歩いてくるグランマンマーレは、花壇の終わりでピタっと立ち止まる。グランマンマーレは、観客に足元を絶対に見せないのだ。

なぜ足元を見せないのか?そもそもなぜ、海中で体を大きくしたり小さくしたりできるのか?さらになぜ光っているのか?実は、グランマンマーレの正体はチョウチンアンコウなのだ。チョウチンアンコウの化け物で、大きさが1キロメートルほどあるらしい。

崖の上のポニョは、このチョウチンアンコウと人間の異種交配の話なのだ。

つまり、花壇の下には本体に繋がる触手があると思われる。リサはこの触手を踏まないようにわざわざ花壇を避けて歩かなければならなかったのだ。映画を見ている観客には、これがわからないように描かれている。観客は、宗介がいかに薄気味悪い生物と契約しているのかが、わからないのだ。

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 チョウチンアンコウは皆さんご存知でしょう。深海魚で頭の誘引突起から発光液を噴出する。つまり、グランマンマーレの女性の形をした部分はチョウチンアンコウの誘引突起で、その下には1kmもある巨大な本体があるのだ。

チョウチンアンコウは、光の届かない深海で誘引突起を光らせて餌を集めて食べる。同じようにグランマンマーレは、誘引突起を美しい女性にして人間の男たちをおびき寄せて異種交配をするという生き物なのだ。

宮崎監督は、グランマンマーレにはフジモトだけでなく何人も夫がいると語っている。つまり、貪欲で多淫症、色んな男と交配するのが好きな生物なのだ。では他の男はどこにいるのか?フジモトと同じように世界のどこかの海でグランマンマーレがやって来るのを待っているのか?それはおそらく違うという。

チョウチンアンコウの生殖活動は特殊で、広い深海でオスとメスが出会うことが奇跡に近いため、メスを見つけたオスはメスに噛み付いて離れることはない。メスに比べて極端に小さいオスは、メスに噛み付くとメスの皮膚と融合。血管まで繋がりやがて目が消滅、内蔵も退化して消えてしまう。精巣だけとなったオスは、子孫を残すとメスに吸収されて完全に同化してしまう。

このようなチョウチンアンコウをわざわざグランマンマーレの本体にしたということは、フジモト以外の男は全てグランマンマーレの体内に吸収されてしまったと思われる。ではなぜフジモトだけが吸収されていないのか?

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フジモトは、海底二万里に登場するノーチラス号の船員で、その生き残りという設定がある。フジモトは、船の中で「生命の水」を抽出している。その一番古い壺には1871と記されいる。これは、海底二万里が出版された1870年に基づいている。

ノンフィクションという体裁で出版された海底二万里。ちょうどその頃にあったノーチラス号の沈没事故で、フジモトはグランマンマーレに助けられ、「生命の水」を抽出し始めたという設定だと思われる。

このようにフジモトだけは、グランマンマーレの役に立ったため、同化吸収されずに済んだ。グランマンマーレはフジモトにとって愛しい妻であると同時に、役に立たなくなったら吸収されてしまうような恐ろしい存在でもあるのだ。

大人と子供。男と女

グランマンマーレと宗介が交わした「ポニョをずっと守っていくという」契約はなぜされたのか?宮崎監督は、これに対して宗介は子供だからだと答えている。大人にはそんな約束はできない。もし約束してもそんな約束は守れない。大人だから。

宗介は子供だから、一生ポニョを好きで守っていくなんていう約束ができるのだ。子供だから、そんな約束を守ろうとしてしまう。だから宗介の一生は、これからは大変ですよと宮崎監督は笑ったという。

こんな終わり方をする作品を宮崎監督は、ハッピーエンドだとなぜ言うのか?宮崎監督にとって全ての女性はグランマンマーレと同じなのだという。全ての女性は、怖くて得体が知れない。強くて美しくて男はかなわない。一度好きになってしまったら、死ぬまで振り回される。それが女性であるということをこの作品で見せている。

例えば、宗介の母親であるリサとグランマンマーレが話している内容は、一切観客にはわからない。このシーンは非常に不自然で、ここまで何も教えないのであればカットしてしまえば良いのだと思える。だが結構な長さをコンテで指定している。つまり、何を話しているのか観客に想像して欲しいのだ。

ラストシーンで、宗介たちの街は大津波で水没してしまう。だがなぜか、みんな生きており平和なままなのだ。さらにリサの夫が乗る小金井丸まで港に戻ってくる。もちろん、小金井丸が戻ってこれたのもグランマンマーレのおかげだ。

では、観客にさえ聞かせられないリサとグランマンマーレの会話が何だったのかというと、おそらくそれは「夫を返すから、あなたの息子を差し出しなさい」というやり取りだったと思われる。

リサという女性は、息子である宗介の晩御飯より夫との喧嘩の方が重要なのだ。子供を乗せいているのに無茶な運転をするのが好きで、自分の子供にママではなく名前で呼ばせる女性なのだ。リサは宮崎アニメの中では、珍しく母性ではなくオンナの部分を強調して描かれているキャラクターなのだ。

そんなリサにとって、誰にも聞かれていない内緒話として「夫を返してあげるから、息子を私にちょうだい。でも安心して息子はあなたから取り上げない。あなたの息子と私の娘があなたの家でずっと暮らすのでいいから」と提案されたことは案外いい話だったのかもしれない。

女が内緒話をしている時、必ず男に不幸が起きる。というこの世の真実だけは伝えたい。そのためにあのような不自然なシーンになっているのだという。別にグランマンマーレだけが、怖くて強くて美しい訳ではない。リサもポニョも女性は、強くて怖くて美しいこれがテーマになっている。

女性は強くて怖くて美しい。フジモトはグランマンマーレにぞっこんで惚れ込んでいて頭が上がらない。だから体を壊すまで働いて、やがて捨てられるか吸収されてしまうんだろうという運命を知っている。だからフジモト(大人の男たち)の目の下にはいつもクマがあるのだ。そんな運命をまだ知らない宗介(子供)は、健気で元気だという話になっている。