ナゼだか知らないけど皆が知っている都市伝説。そこには極めて拡散されやすい巧みな仕掛けがあった!現代に生きる最強の怪異をご紹介!!
都市伝説 最恐の怪異セレクション
都市伝説が拡散されるメカニズムとは?
あなたはこんな話をご存知だろうか?1970年代に広まった『トイレの花子さん』。放課後のトイレの個室をノックして「花子さん、遊びましょ」と話しかけると「はぁい」と返事が帰ってきて、扉を開けると中に引きずり込まれるという怖いお話。世に言う都市伝説に潜む怪異現象だ。
しかし、誰も見たことがないのに誰もが知っているのはなぜなのか?この夏、アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究チームがこんなデータを発表した。
デマは真実より6倍のスピードで広がる
これはTwitterに投稿された約12万件の情報を調べたもの。そのデマ情報も書き込みを分析すると特に多かったのが、恐怖や嫌悪など表現だったという。それは今に始まったことではない。
これは大正時代にあった本当の話。ある女性の元に同じ文章の手紙を他の人に送れば、幸せになるという『幸福の手紙』が届くのだが、さほど話題にならなかった。ところがしばらくすると、今度は同じ文章の手紙を他の人に送らないと不幸になるという『不幸の手紙』が届いた。
内容が恐怖を伴うものに変化したことで、瞬く間に拡散し大ブームとなった。さらに携帯電話の普及によって流行したチェーンメール。拡散しないと不幸になるという内容は、まさに不幸の手紙と同じだったのだ。
つまり、都市伝説最大の武器は、時代に応じて設定やツールが進化すること。そしてネット社会となった今、都市伝説の中の怪異はまた蠢き始めている。
メリーさん
この都市伝説は1990年代、人々を恐怖に落し入れた。
母親に買ってもらった人形をメリーさんと名づけて大切にしていた女の子。だが、女の子の家族は引っ越すことになり、汚れて古くなった人形は捨てることになった。引越し先では新しい友達もでき、やがてメリーさんのことはすっかり忘れてしまった。
そんなある日のこと。両親が外出し1人で家にいた時、電話がかかってきた。
「私メリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの」
女性はすぐに捨てた人形を思い出したが、誰かのイタズラだと思い電話を切った。すると…また電話が鳴った。
「私メリーさん。今、駅前にいるの」
気持ち悪がってすぐに電話を切る女性。するとまた電話が鳴って…
「私メリーさん。今、あなたの家の前にいるの」
怖くなった女性は、慌てて玄関に向かい鍵がかかっているのを確認した。そして安心したその時、背後から声が…
「私メリーさん。今、あなたの後ろにいるの」
振り向いた女性は…
この話の凄いところは、徐々に恐怖が迫ってくるということを電話というツールを使って巧みに表現しているところ。実は、メリーさんは実在していた。1927年日米両国間の親善を目的にしてアメリカから全国の幼稚園や小学校に青い目の人形が寄贈された。
この人形にはそれぞれ名前がつけられていて、メリーという名の人形が多かったという。ところが、太平洋戦争で敵国のものとされた西洋人形は、そのほとんどが燃やされてしまったのだ。この話が都市伝説メリーさんのルーツと考えられている。
奇妙なLINE
今年、高校生になった男がある不思議な体験をする。帰宅した男のスマホにLINEの通知がくる。
「今なにしているの?サオリ」
サオリって誰だっけ?誰の友達だったっけ?と思いながらLINEを返す男。気さくで面白い彼女のメッセージに次第に仲良くなっていった男。次第に、その子が誰なのかどうしても気になった男は、同じグループの子に聞いてみることにした。
「ねぇ、サオリって誰の友達?」
「サオリ?私は知らないけど…」
「私も知らないわよ」
「Σ(゚◇゚;)マジデッ!?みんなのLINEグループにも僕たちのやり取りがいってるよね?」
「来てないよ×2」
「そんなはずないよっ」
LINEのチャットを見直す男。するとやり取りが全部消えていた。
「それってLINEわらしじゃない!?」
「゚(´・ω`・)エッ?LINEわらし?」
その後、メッセージが届くことはなかった。
この都市伝説は、いつの間にか現れて消える座敷わらしがルーツになっている。だが座敷わらしよりもリアルかもしれない。どこの誰かも分からない人と繋がってしまう、現代のSNS社会の怖さが反映されているのだ。
カシマさん
オカルトブーム全盛だった70年代から数々の都市伝説に影響を与えていると言われている。この話を聞くと3日以内に…
とある学校の教室で雑談する女の子たち。
「ねぇ、知ってる?友達の友達から聞いた話なんだけどね。」
「なになに?どんな話?」
「夜寝ていると足のないカシマさんっていう女性の幽霊が現れて、こう聞いてくるんだって『足はいるか?』」
「そ、それで?」
「この時、『いらない』って答えると足を取られてしまうけど、『カシマさん』って三回唱えると助かるらしいよ」
「何?その話」
「この話を聞くと…3日以内に出るそうだから助かる方法を忘れないように」
「そんな話、なんで聞かせるのよ!」
その夜だった。寝ている女の子の前にカシマさんが現れた。
「手はいるか?足はいるか?」
女の子は恐怖でなにも答えることができなかった…。その女の子は翌朝、手足が引きちぎられて死んでいたという。
このカシマさんがすごいのは、様々なバリエーションが増えたこと。名前も仮死魔霊子や仮死魔幽子になったり、校庭を走ってくる下半身のないテケテケという幽霊の本名だったり、あの有名な口裂け女の本名もカシマという説がある。
傘の女
トンネルが舞台となった都市伝説も多い。
墓場に近く人通りの少ないとあるトンネル。雨の日、傘をささずにこのトンネルを通りかかると、傘をさし白い服を着た髪の長い女が現れる。すると…
「よかったら家まで送っていきましょうか?」
断れば何も起こらない。しかし、誘い乗ってトンネルに入ると2人の姿は次第に薄れ、やがて消えてしまう。そして二度とトンネルから出てくることはないという。
この話が凄いのは、恐怖の要素が凝縮されていること。墓地の側、トンネル、雨、傘、髪の長い女とどれも怖い設定になっている。しかも、話が短くて覚えやすいので拡散が早い 都市伝説なのだ。
ひきこさん
ある夜のこと、少女が1人で歩いていると前から女が人形のようなものを引きずりながら近づいてきた。そして少女の前で立ち止まり
「私の顔が醜いか?」
恐怖で声も出なかった。女が引きずっていたのは、子供の死体。少女は悲鳴をあげて逃げ出したが捕まってしまう。女は少女の体を掴むとそのまま地面に叩きつけて引きずって行った。実はこの女、森妃姫子といって元は優等生だった。
妃姫子は優等生で先生たちのお気に入りだった。ところが、そのせいで妃姫子はいじめの対象になってしまう。ランドセルに虫を入れられたり、持ち物を壊されたり、いじめ行為はエスカレート。ついには妃姫子への暴力がはじまった。
その結果、妃姫子は顔にひどい傷を負い学校にも行けなくなってしまう。すると家に引きこもる妃姫子に両親からの虐待がはじまる。ついには食事すらまともに与えられない日々が続いた。
そして数年の月日が経ち、成長した妃姫子は両親を殺害してしまう。彼女はいつの頃からか子供たちを襲うようになったのだ。
ストーリーがよくできていて、森妃姫子を逆に読むと妃姫子森(ひきこもり)となる。この話は、現代の社会問題が背景になっているのだ。
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