明治時代のイケメン政治家・陸奥宗光。その交渉力が認められ外務大臣に就任。アメリカやドイツなど15ヵ国の間で結ばれていた不平等条約を次々と解消し日本を変えた男。政治家としての日々、当時の激動の時代を生きた人としての色んな考え方を記した「蹇蹇録(けんけんろく)」を残している。
そんな陸奥の政治家としての成功を支えたのが、妻である亮子。ワシントン社交界の華とも称された明治を代表する美女。亮子は、国内外の重鎮たちと渡り合い不平等条約の解消に一役買ったとも言われている。
公私に渡り夫を支え続けてきた妻・亮子に信じられない裏切りが待っていたのです。
陸奥宗光のスキャンダル
陸奥宗光は無類の女好き
時は明治時代中頃。
「旦那様、お茶でございます」
「おぉ、涼子かすまない」
「たまには息抜きも大事ですよ」
「それにしても亮子はいつ見てもキレイだな」
「ありがとうございます。いつもそう言ってくれて本当にうれしいです」
夫に心から愛されて満ち足りた生活を送っていた亮子。しかし、他の日の夜は…
「帰ったぞ」
「陸奥さんっ」
迎え入れた女は亮子かと思いきや違う女。別の女の家に入り浸っていたのだ。
「寂しかった」
「いつ見てもキレイだな」
そう、夫の裏の顔は無類の女好き。そのハンサムな外見と話術から女性たちからも言い寄られ、さまざまな女に手を出していたと言われている。
衝撃のスキャンダル
1877年西郷隆盛を盟主にして起こった西南戦争が勃発。政府への反乱に加担し禁錮5年の刑を受けた陸奥。獄中では、自分の過ちを反省したのか妻・亮子へ頻繁に手紙を送っていた。
家の守りを厳重にせよ、兄以外の男は親戚でも泊まらせるな、など自分のことは棚に上げ妻の浮気を心配した陸奥だったが…。涼子はこれを真摯に受け止め子供を育てながら陸奥の帰りを待っていた。
そして5年後…夫の出所に涙する亮子。しかし、これが悲劇の始まりだった。
刑期を終えた夫と幸せな生活を送り始めた亮子。しかし、ある日…
呼び鈴に玄関へと向かう亮子。
「あの…どちらさまですか?」
「宗光様を呼んでください」
女の顔を見て慌てる陸奥。
「お久しぶりです。獄中ではお世話になりました」
実はこの女性、獄中で罪人の世話をする女性。
「刑務所で私のことを好きだと言って、あのような事をしたのは嘘だったのですか」
亮子を襲った夫の裏切り行為。収監されていたにもかかわらず、刑務所で働く女性と浮気していたのだ。なんというゲスっぷり!
しかも夫の死後、突如隠し子まで現れるという悲劇。しかし、なんと涼子はその隠し子を引き取り育てるという度量の広さを見せた。