サザエさんの放送が終わると日曜日が終わっちゃうと感じる症状、つまり日曜日の夕方以降に翌日からの通学・通勤に憂鬱になり、倦怠感などを訴える症状のことを「ササエさん症候群」と俗称されるのだとか。
そんなサザエさん一家に今、大きな危機が訪れている。およそ50年間続く国民的アニメサザエさんが直面しているピンチとは!?
「庶民の代表」磯野家
「庶民」というイメージを具体的に現実化したのが磯野家。ただ、50年という長い歴史があるがゆえに、現代とギャップが生じてきている。先日、発売された「磯野家の危機」という本が、磯野家の資産を明らかにしている。
その金額は、土地だけで2億円!作品の中では、磯野家の住所は東京都世田谷区新町3-51となっている。今の地価で換算すると1坪=約200万円でその資産は2億円となるわけだ。波平が亡くなった後に、残された3兄弟の間でなにが起きるのか?
来週のサザエさんは…「骨肉の争い」、「花沢父のアドバイス」、「カツオ、ニヤリ」の3本です。となりかねないのだ。(※花沢さんの家は不動産屋です)
さらに磯野家の金銭事情に関して、波平の年収は1000万超えという事実も明らかにされている。原作「サザエさん」31巻によると波平の月給は7万円となっている。これを今の額に換算すると年収は、およそ1120万円になる。さらにマスオの年収も544万円ほどあるという。ということは世帯収入は1664万円となり、日本国民の上位1%の収入に入るスーパーセレブなのだ。
1970年代には、1億総中流と言われていた。磯野家は庶民の真ん中にいたのだ。だが、バブル崩壊やリーマンショックなどがあるたびに、富が一部の人に偏る世の中になっていった。世界全体で見ても、人類史上ここまで経済格差が開いのは初めてなのだ。
日本の貧富の格差の変化
かつての1億総中流時代は、シャンパンタワーのように頂点の富裕層からお金が回り、溢れた分だけ下の貧困層へもお金がどんどん回っていた。つまり、日本国民全体の生活水準が底上げされていたのだ。
それが今では、頂点の富裕層の器が大きくなったために、下の貧困層へお金が流れる量が極端に減ったのだ。景気が良くなったと答える富裕層に対して、一般人が実感がないと答えるのは、こういうことなのだ。
サザエさんという作品には、もちろん何の非もない。設定を変えないままアニメの放送を続けていたら、世の中の方があまりにも変化してしまった。庶民の代表、リアルな庶民の暮らしというラインをどこまで守っていけるのかという意味での「危機」をこの本は表していたのだ。