1876年2月14日。ワシントンD.C.ーー。
アレクサンダー・グラハム・ベルの弁護士は、アメリカの特許商標庁にハーモニックテレグラフと名付けられた音声送信装置の特許申請書を届けに来た。だがちょうど同じ日、後に電話と呼ばれる装置の特許を申請した人物がもうひとりいた。
電話の発明者はアレクサンダー・グラハム・ベルだと一般に考えられているが、全く同じ頃にイライシャ・グレイという人物が似たような装置を発明したようなのだ。
ベルの発明は声を送信する側の装置だけだったが、グレイの方は送信装置と受信装置の2つが繋がっていて現在の電話と同じような動きをするものだった。
なぜ、二人の発明家は全く同じ時期に、画期的なアイデアを考え出したのだろうか?世界で初めてとなる特許品を二人の人物が同じ日に申請したのである。
アカシックレコード、つまりある特定の人々が使うことができるという普遍的な知性が存在する証拠なのだろうか…
ベルとグレイは互いにアイデアを盗まれたと訴えたが、何年もの間二人の天才が、別々に電話の構想を練っていたことは間違いなかった。そしてこうような話は他にもある。実際、別々の人物が同時に何かを発明することは頻繁に起こっている。
歴史を通じて複数の人物が、同じものを同じ時期に発見するという奇妙な現象が起こっているが、発明者同士は全く関わりがなく互の研究について何も知らなかったという。
偉大な発明を可能にするのは、複雑で抽象的な思考だ。デタラメに思いつくようなものではない。それは、集合的無意識だという人もいる。私たち全員が共有している非個人的な意識のようなものだ。
だが一方で、地球外生命体が糸を引きアカシックレコードを使って彼らの決めた計画表に合うよう人間の天才たちに情報を伝えているのではないかと考える人たちもいるのだ…