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ギリシャ神話の神々は実在した!?神話の物語は真実で世の心理!?

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前の記事の続きになります。北欧神話に続きギリシャの神話の神々やモンスターについて紐解きます。神話は実話を元にした物語なのか?オリンポスの神々やモンスターは実在したのだろうか?

ギリシャ神話の神々

メドゥーサ

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蔑まれた女の恨みほど怖いものはない。ギリシャのモンスター・メドゥーサには、それすらも控えめな表現だ。メドゥーサというのは、蛇でいっぱいの頭、蛇の髪の毛を持った女性だ。メドゥーサは自分が見たものをすぐに石に変えてしまう。恐ろしい外見に隠された真実は、私たちの心に響く。

だがゼウスの息子ペルセウスにとっては違った。高価な褒美を餌にメドゥーサの首を切り落とすよう命令される。女神アテナは、彼がメドゥーサを倒すチャンスが得られるように盾をさずけた。メドゥーサの視線を避けつつ追い詰めようとペルセウスは思い切った手に出る。

ペルセウスは石に変えられないように盾に映るメドゥーサの姿を見ながら、彼女の頭を切り落としたのだ。物語には予想外の結末があった。ペルセウスはその後、ケイトスにメドゥーサの首を使う。ケイトスとは海の怪物クラーケンのような巨大なモンスターだ。ペルセウスは手に入れたメドゥーサの首を使ってケイトスを石に変え、アンドロメダを救う。アンドロメダはケイトスへの生贄として、岩につながれていた美女だ。ペルセウスは、2度もモンスターを倒したことで英雄となり王となる。

そもそもメドゥーサは、どうしてモンスターになったのだろうか?物語によるとメドゥーサは、アテナの巫女で美しい髪を持っていた。海の神ポセイドンがメドゥーサを気に入り、どうしても自分のものにしたいと考えたポセイドンは、陸に上がりメドゥーサを神殿の一番奥へと追い詰めた。そしてアテナの像にすがり離してくれと懇願するメドゥーサをレイプしたのだ。神殿を冒涜したポセイドンにアテナは激怒する。

だが神々はお互いを罰せれなかったため、アテナはメドゥーサに怒りをぶつけたのだ。アテナの怒りは凄まじくメドゥーサに呪いをかけた。したがってメドゥーサは邪悪なのではなく、2度も不当な扱いを受けた女性なのだ。

メドゥーサは実在しないが、この話は人間の行動のおぞましさを顕にしている。レイプはギリシャ神話によく出てくる。古代ギリシャでもそれは同じだった。男は罪に問われないばかりか、もっと酷いこともあった。

当時のギリシャ文化は、レイプを容認していて、そこには闇の側面があった。レイプの被害者は殺されてしまうか、加害者と無理やり結婚させられるため自殺も多く起きた。しかし、このような事態は今日の私たちの社会でも見られる。

多くの国で性的暴行を受けた女性たちが、被害にあったことを避難されている。レイプという虐待は、メドゥーサを恐ろしいモンスターへと変えたのだ。私たちでもメドゥーサのようになり得るのだ。メドゥーサの悲劇を知れば、彼女をモンスターとは呼べない。

プロメテウス

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プロメテウスはギリシャの神で、人類そのものを生み出したとも言われている。プロメテウスは、最初の人間を水と粘土で創り出した。そして私たちが生きていくのに必要なあるものを与えたのだ。

歴史上、最も重要な発見と言えるのは火の発見だ。野獣を遠ざける初の偉大な魔法だ。火を起こして使うという能力は、全ての文明と技術の基礎となっている。火が無くてはなにもできない。プロメテウスが、人類の学習の進歩のマッチを灯したのだ。

しかし、全知全能の神ゼウスは人間には火を与える価値がないと考え、人間から火を取り上げた。他の神はなにもしなかったが、プロメテウスはオリンポスに忍び込んで人間のために木炭を盗み出した。これに激しく怒ったゼウスは、プロメテウスをカウカソス山に縛り付け、毎日ワシを放って彼の肝臓を食べさせた。

だがプロメテウスは不死身だった。肝臓は毎日再生し、毎日苦痛を味わった。なぜ肝臓なのか?肝臓は感情と生命が宿る所だとギリシャ人が考えていたからだ。プロメテウスの苦痛は、実際の医療の謎を解くカギだと考える人もいる。肝臓は再生するということが20世紀に発見され、生体肝移植が可能になった。しかし、この事実を何千年も前のギリシャ人が知る術があったのだろうか?

当時は生贄の動物を切り開き、肝臓を調べることで神の意思を占っていた。また、怪我人を詳しく観察し看病もしていた。肝組織が再生することに気づいていたかもしれない。医学の父と称されるギリシャ人医師ヒポクラテス。紀元前500年ごろに医学に従事し肝臓を治療した。肝臓の再生について古代ギリシャ人が知っていたのか?それは分からないが、医学の分野で彼らは時代の最先端だった。

先見の明という意味の名を持つプロメテウスと同様だ。プロメテウスは、ギリシャ神話の中で一番尊い神だろう。それは、彼が私たち小さな人間の味方だったからだ。プロメテウスの遺産は、軍人や探検家といった英雄だけにではなく、一般の私たちにも受け継がれている。プロメテウスの偉大さに憧れるのは、人間の本質だろう。

パンドラ

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プロメテウスは、水と粘土で最初の男性を作った。しかし、最初の女性は金属の道具を作る鍛冶の神・ヘーパイストスによって作られた。その女性は、パンドラと呼ばれる。ゼウスは全ての神と女神を招待し、パンドラに贈り物をするように頼んだ。パンドラは類まれな美しさと優雅さと豪華な服、美しい声を与えられ、さらにはあくなき好奇心も与えられた。

そしてゼウスは、プロメテウスの兄弟・エピメテウスをパンドラの夫に選び、結婚祝いを贈った。ゼウスはある壺をパンドラに与え、パンドラに「この壺をお前がいつでも眺められる所に保管しておけ。だがこの壺は決して開けてはならない」と言いつけた。

好奇心に負けて壺の蓋をパンドラが開けると、身の毛のよだつような声が聞こえてきた。そして蓋を開けてしまうと、飢えや争い、老いや死などすべての苦しみが飛び散った。そしてパンドラが慌てて蓋をすると中には、ほんの小さなものが残った。それが希望だ。

パンドラの話はとても恐ろしいものだ。蓋を開け最後に残ったものが飛び散ってしまえば、人は希望を失うのだ。希望を失っては生きていけない。この神話は、この世の悪の由来を伝えるだけではなく、古代ギリシャにおける実際の結婚の儀式についても明らかにする。

花嫁となる女性は、自分の家族から離され夫となる男性とその家族が住んでいる場所へ行かなければならない。そして女性は、自分の残りの人生を家庭を守ることだけに捧げるのだ。パンドラが受け取ったような結婚祝いを贈るのは、当時の慣習だった。

花嫁が受け取る壺には、食べ物は入っておらず化粧品や身を飾る装飾品が入っていた。だからこそパンドラは、開けてみたい誘惑にかられたのだ。誘惑はギリシャの最初の女性だけの問題ではない。聖書の最初の女性イヴにとっても問題だった。イヴは禁断の果実を食べてしまう。

どこの国にも似たような話はある。全てが手に入ったとしても、あれだけはダメだと言われるとそれが何であろうと、どうしても欲しくなるのだ。好奇心は人間であれば誰でも持つもので、パンドラが特別悪いというわけではないのだ。

ゼウス

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ギリシャ南部のリュカイオン山で、考古学者がギリシャ神話の最強の神にまつわる三千年の謎を解こうとしている。その神とはゼウスだ。出土品からここがゼウスの出生地だと証明できるのだろうか?

リュカイオン山での発見は、ゼウスの由来についての定説を覆すものだった。これらの発見の重要性を理解するには、ギリシャ神話の冒頭に戻らねばならない。ゼウスの誕生だ。

父はクロノスという名のティタン族で、世界を支配したが絶えず怯えて暮らしていた。クロノスは、自分の子供に殺されるという予言を受けていたので、それを避けようとして子供たちを全て食べてしまったのだ。クロノスの妻レアがゼウスを産んだ時、レアは末っ子であるゼウスを守るためゼウスを洞窟に隠した。

レアは産着で包んだ石をクロノスに渡すが、クロノスは目が悪く新しい赤ん坊だと思い飲み込んでしまう。成長したゼウスは、父親の王座を奪って予言を実現しようと考えた。それには、自分の兄弟と姉妹が必要だった。

給仕に化けたゼウスは、ネクタルという飲み物をクロノスに運んだ。ネクタルの中には、吐き気を催すものが仕込まれていた。するとクロノスは、後にギリシャの神々となるゼウスの兄弟を全て吐き出してしまう。

そして大戦争が始まる。ゼウスは兄弟と共にクロノスのティタン族と戦った。ティタノマキアと呼ばれるこの戦いは、何年も激しい戦いが続いた後、ゼウスと兄弟たちが勝利を収める。ゼウスは、クロノスと彼に加担したティタン族を全て切り刻みタルタロスに投げ込んだ。そこは、極悪人が罰せられる冥界の牢獄だ。

ゼウスは神々と人間の父となり、天空を支配し世界の覇者となった。ゼウスは嵐を支配し、雷を操る気象を司る神だった。これが最強の神の絶対条件なのだ。超能力を抜きにしてゼウスは、よく人間の如く振舞った。そのためゼウスが実在したのか、人々は何世紀も議論している。ギリシャ・クレタ島の人々は、ゼウスがクレタ島のイディ山で生まれ育ったと主張している。ギリシャ南部のアルカディアの人々は、ゼウスがリュカイオン山で生まれたと言っている。現在、リュカイオン山からの出土品によってリュカイオン山出生説が有力だ。

出土品は、従来の説より何百年も前にリュカイオン山でゼウスが祀られていた証拠だ。次から次へと変わる最高権力者や王について、いかに統治を行ったか、どんな性格や外見をしていたかなど、人々が観察した上でゼウスの異伝や気質が形作られたのだろう。ゼウスはあらゆる資質を持っていた。

ギリシャ人にとってゼウスは、大々的に讃えるべき存在だ。古代オリンピックは、ゼウスを讃えた祭典だが、リュカイオン山にはその発祥の謎が隠されている。古代オリンピックは、紀元前776年に平和の式典として、またゼウスを崇める競技会として始まり4年ごとに開かれていた。

リュカイオン山の遺跡から考古学者たちが、驚くべき発見をする。古代オリンピックの発祥地はオリンピアではなく、リュカイオン山だと裏付けるものだ。戦車競技場の一部であるスターティングブロックの原型と古い管理棟は、これまで発祥の地だと言われてきたオリンピアのものより古い時代に作られたものだとわかった。古代オリンピックは、西暦394年頃まで1000年以上続いた。しかし、キリスト教徒であるローマ皇帝テオドシウスが全ての異教徒の行事と共に禁じた。そしてそれがゼウスの終焉だった。

キリスト教がローマ帝国の国教となった時、ギリシャの神々は終わったのだ。しかし、ゼウスやオリンポスの神々、北欧神話のトールや数々のモンスターは完全に消え去ったわけではない。神話の物語は真実で世の心理なのだ。これまで語り継がれている物語は、人間の強い欲求に訴えかけ、私たちが生き抜くために必要なものを教えてくれる。