異種混合された怪物たち
古代ギリシャの遺物には、恐ろしい獣が写し取られている。蛇の髪を持つメドゥーサ、大蛇ヒュドラ、獰猛なケルベロス、そしてホメロスによって書かれた叙事詩イーリアスには、英雄ベレロポーンがキメラと呼ばれる怪物を退治する物語が記されている。
キメラ
小アジアに破壊をもたらして恐れられた怪物。ホメロスによれば、不死身のキメラはライオンの頭と蛇の尾を持ち、胴体から生えたヤギは口から火を吐いたとある。
キメラや異種交配種は、1000年もの間人類が持ち続けた概念だ。例えば、ミノタウロスやペガサス、それにアヌビスなどは想像の怪物とも言えるが、あるいは実在していたのかもしれない。
過去に怪物は存在したのではないか
神話に登場する怪物は、古代の人々の想像から生まれたものだったのか。それとも実在するものだったのか。怪物は過去に存在し、その証が遺物に残されていると言えないか。
古代の獣や怪物すべてが、ただの空想の産物だったと考えるのは、理屈にあっていないのではないだろうか。古代人々は、目撃したままを表現したのではないだろうか。
エジプトの至る所に異種混合された動物の絵や像が残されている。スフィンクスやグリフィン、不思議な生物が存在したと古代エジプトの文書には記されている。やはり過去に怪物は存在したのではないだろうか。
進化論で説明できない怪物たちの起源
19世紀半ばくらいになると生物の進化を知るために、掘り起こした化石を基に研究が行われるようになった。自然主義者のチャールズ・ダーウィンは、全ての生命が共通の起源を持っており何世紀もかけて自然淘汰を経て進化してきたとの「進化論」唱えた。古代の宗教や神話に現れる怪物は進化によって出現したのだろうか?
遺伝学的に似通っている動物同士、異なった種でも交配が可能だ。例えば、馬とロバ、オオカミと犬などだ。しかし、猫と犬は交配ができない。形態、生態的な差が大きく生科学的に見ても違いがあり、遺伝子があまりにも異なっているために交配しても染色体が劇的に配列できないのだ。
自然淘汰に基づいて進化を語るダーウィンの説が、古代の獣や怪物の起源を説明できないのなら怪物たちはどこからやって来たのだろうか?その答えはこの地球上ではなく遥か遠い彼方で見つかるのかもしれない。